愛媛県の郷土料理「いもたき」とは?秋を彩る伝統行事と郷土の味


はじめに:いもたき(いも炊き)って何?芋煮との違い

愛媛県に秋の訪れを告げる風物詩と一つ、「いも炊き」。この伝統料理は、地域の人々が河川敷などの開放的な場所に集まり、鍋で煮込んだ具だくさんの料理を囲んで楽しむ秋のイベントとして、愛媛県では長年親しまれています。

「いもたき(いも炊き)」という名称の由来は、主に使われる食材である「里芋(いも)」と、「炊く(煮る)」という意味を組み合わせたもので、シンプルな料理名です。収穫されたばかりの新鮮な里芋をふんだんに使い、地域の実りに感謝する気持ちが込められています。

いもたきとよく似た行事に、東北地方で行われる「芋煮(いもに)」があります。どちらも秋に河原などで芋を煮るという点では共通していますが、料理としてのスタイルや地域性には違いがあります。たとえば、山形県の芋煮は醤油ベースの牛肉入りが一般的で、宮城県では味噌ベースで豚肉を使用するスタイルが多く見られます。それに対して、愛媛県のいもたきは鶏肉やこんにゃく、油揚げなどを使用し、出汁に甘みのある醤油味が特徴です。より家庭料理に近く、優しい味わいであることが魅力です。

また、芋煮がバーベキュー感覚のイベントとして行われることが多いが、いもたきは家族や地域住民が一堂に会して行い鍋を囲む、世代を超えた交流の場という位置づけが強いのも大きな違いです。

本記事では、そんな「いもたき」の魅力を、「愛媛県」の「土居」という視点から掘り下げ、食文化としての価値や地域コミュニティとの結びつきをご紹介していきます。


いもたきの魅力:発祥と地域ごとの味わいの違い

「いもたき」とは、里芋を主役とした具だくさんの鍋料理。地域によって味付けや具材は異なりますが、基本的には以下のような材料が使われます。各地域で使われる具材や味付けにはバリエーションがあり、食べ比べることでその土地ごとの個性や文化を感じ取ることができます。

基本となる食材は以下の通りです。

  • 里芋(地元産が中心)
  • 鶏肉(地域により異なる)
  • 厚揚げ
  • こんにゃく
  • きのこ類(椎茸、しめじなど)
  • だし

特に重要なのが「里芋」。愛媛県内各地では各地で採れる里芋が使われ、その風味がいもたきの味わいを大きく左右します。

愛媛県「いもたき」の起源は、大洲市(南予地方)の「お籠もり」と呼ばれる農民の寄り合い行事にあるとされています 。江戸時代から伝わるこの行事では、収穫した里芋を河川敷に持ち寄り、こんにゃく・油揚げ・鶏肉・椎茸などとともに鍋で煮込んで食べながら、地域の人々が親睦を深めました 。温かい鍋料理を肴に「月見」を楽しむ風習もあり、秋の風物詩として定着していったのです 。

昭和41年(1966年)にこの風習を観光事業として整備し、大洲市では「観月いもたき」として、肱川河川敷で鍋を囲むイベントが開催されるようになりました 。現在でも多くの来場者を集める愛媛の秋の代表的な行事です。


「土居いもたき」の特徴と魅力

土居町とは?

土居町は、2004年4月1日に旧宇摩郡土居町を含む2市1町1村の合併によって四国中央市(愛媛県東予地方)になりました。かつての土居町は、四国で初めて高速道路が開通したエリアとして知られ、軍用うどんの味や里芋「伊予美人」を生産する農村地帯でもありました。
※表記は土井(どい)ではなく土居(どい)と表記する

土居のいもたきが特別か?

◎ 地元産「伊予美人」里芋をふんだんに使用

四国中央市・土居地区でも関川河川敷ふるさと広場にて鍋を囲むイベントが開催されています。土居(どい)町ではブランド里芋である「伊予美人」を使用するのが特徴で、ブランド里芋「伊予美人」は、大粒で色味が鮮やか、粘りと甘みが非常に強い品種です。煮崩れしにくく、鍋料理に最適とされ、土居のいもたきの主役となっています。煮込むほどに出汁と具材が一体となり、まろやかで深みのある味わいに仕上がります。
また、土居地区のいもたきは、家庭的な味わいを大切にしながらも地域コミュニティの絆を深める役割も担っています。

◎ こだわりのだしと豊富な具材

鶏がらをじっくり3時間煮込んだ醤油ベースの出汁は深いコクがあり、鶏肉・豆腐・ネギ・こんにゃく・油揚げ・イカゲソ・人参・うどんなど、約10種類の具材が入り、多彩な味わいを楽しめます

◎ 川辺で鍋を囲む伝統行事としての空気感

会場は四国中央市・土居町の関川河川敷「ふるさと広場」。テント約270席が並び、秋の夜風を感じながら仲間や地域住民と鍋を囲むように楽しむスタイルは、地域文化の象徴となっています。完全予約制(3人前以上/1日250名まで)で、団体利用も可能です

社会的にも、この行事は地域コミュニティをつなぐ場として定着しており、観光目的だけでなく、地元住民の交流文化としても評価されています。


2025年:土居のいもたきイベント情報

  • 開催時期:9月1日(月)〜10月8日(水)
  • 時間:17:00~21:00
  • 休業日:期間中無休(雨天決行、荒天時中止)
  • 住所: 愛媛県四国中央市関川河川敷ふるさと広場
  • 参加費:一人前2000円
  • ご予約(電話):0896-75-6900/0896-74-0880(土居のいもたき運営委員会)
  • ご予約(ネット):InstagramまたはFacebook
  • 備考:※3日前までに要予約(完全予約制)
       ※団体の方で、15人前以上の予約の場合は5日前に要予約
               ※1組3名以上、1日250名まで
               ※材料のみの持ち帰りも可能

アクセス方法

  • 電車:【JR予讃線】伊予土居駅から徒歩約20分(方向に県道129号を進む)
  • 車:【駐車場あり約100台】松山自動車道・土居ICより約10分

自宅でいつでも味わえる「土居いもたき」

土居の秋の風物詩「いもたき」は、現地に足を運ばずともご家庭で気軽に味わえるようになりました。
四国中央市土居町の地元食材を使った本格派いもたきセットは、季節を問わず通年でご購入いただけるため、贈り物にも、ご家族の団らんにもぴったりです。

通年購入OK!公式ECサイトでお取り寄せ

【土居のいもたき】公式ECサイトでは、以下のようなセットをご用意しています。

セットに含まれる内容

  • 地元農家が丹精込めて育てた伊予美人(里芋)
  • 鶏がらを3時間煮込んだダシの旨みが凝縮されたしょうゆベースのスープ
  • 鶏肉などが揃った具材一式入りのセット※(いも+つゆ)セットには含まれません。

初めての方にも安心なオリジナルレシピパンフレット付き。
鍋に入れて温めるだけで、地元そのままの味を再現できるのが魅力です。冷蔵でお届けするため、忙しい日の夕食や来客時にも便利に活用できます。
※セットに含まれる具材の鮮度の関係上、指定の到着日中に必ずお召し上がりください。
※商品の到着日時は注文時に指定可能です。


終わりに

特別な日のごちそうにも、ギフトにも

地域色豊かな「土居いもたき」は、贈答用にも非常に人気です。お中元やお歳暮はもちろん、秋の行楽シーズンや年末年始のごちそうとしても喜ばれています。

ここまで、愛媛県の「いもたき」を土居の視点でまとめました。いもたきとは単なる秋のグルメではなく、地域の歴史と文化、人と人とのつながりを象徴する伝統です。
お鍋ひとつで広がる、土居の秋。愛媛のごちそうを、ぜひ一度ご家庭で召し上がってみてください。

【土居のいもたき】公式ECサイト


“————————参考文献————————”

愛媛県公式観光情報「いよ観ネット」
愛媛県 松山市公式観光情報「出合のいも炊き」
愛媛県地域ブログ「いまナニブログ(いまできブログ)」
農林水産省 郷土料理検索「いもたき(愛媛県)」
コロカル(マガジンハウス)愛媛特集「愛媛の秋といもたき文化」
Wikipedia 日本語版「いもたき」
四国中央市公式サイト 「土居地域の紹介」
愛媛県公式観光情報サイト【いよ観ネット】「いもたき(大洲市)」 
JAうま「JAうま農産物紹介|伊予美人」 
愛媛新聞ONLINE 「いもたき文化の地域ごとの違い」
えひめ愛フード推進機構「えひめの地産地消」
国土地理院「電子国土Web 土居町」 

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